量子フーリエ変換 (QFT)

逆 QFT

周期的に変化する位相を書き込む

足し算回路に対する引き算回路と同様に、QFT にも逆回路が存在します。逆 QFT と呼ばれるこの逆回路を状態ベクトルに適用すると、次のように変化させることができます。

逆 QFT

このように逆 QFT はまさに QFT の逆処理で、位相の回転パターンを状態ベクトルに書き込みます。 入力として 2 のような周波数を取り、この周期で回転する位相の重ね合わせ状態を状態ベクトル上に作ります。

逆 QFT 回路

逆 QFT は QFT 回路をもとにして作ることができます。 一般に逆回路を作るには、元の回路をうち消す回路を作るのでした。 よって逆 QFT は次のように作ることができます。

  • QFT 回路を左右逆にする
  • CPHASE ゲートの角度をそれぞれマイナスからプラスにする

このようにして作った逆 QFT 回路に周波数の値を入力すると、位相が周期的に変化する重ね合わせ状態を作ることができます。

QFT と逆 QFT の役割は、それぞれ次のように考えることができます。

  • QFT は位相回転の世界から周波数の世界への変換
  • 逆 QFT は周波数の世界から位相回転の世界への変換

このように、QFT と逆 QFT は位相回転の世界と周波数の世界を行ったり来たりするためのサブルーチンと考えることができます。 後に、QFT を使って足し算などの算術演算や、ショアのアルゴリズム (因数分解) を実装する方法を見ていきます。