量子ビット

重ね合わせ状態

円表示による重ね合わせ状態の視覚化

Qni では、1 ビットでの 0 と 1 の重ね合わせ状態を次のように 2 つの円で表示します。

2 個の円はそれぞれ古典ビット 0 (左) と 1 (右) を表しており、内側の円の面積はそれぞれの確率を表しています。 この状態ではどちらも五分五分なので、0 と 1 がそれぞれ 50% の確率で重ね合っていると読みます。 円の上にマウスポインタをホバーすることで、これらの確率を表示できます。

これからは古典ビット 0 と 1 をそれぞれ記号 \(|0\rangle\) と \(|1\rangle\) で表します。 これらは量子力学や量子コンピュータでよく使われる記号で、「ディラックのケット (または単にケット)」と呼ばれます。 後に詳しく説明しますが、現時点では 0 と 1 の状態を区別するための単なるラベルと考えて大丈夫です。

\(|0\rangle\) と \(|1\rangle\) の確率は、合計が 100% という条件さえ満たせば好きな値を取ることができます。 たとえば、次のようなさまざまな状態のバリエーションが考えられます。

確率 円表示
\(|0\rangle\) が 100%
\(|1\rangle\) が 100%
\(|0\rangle\) と \(|1\rangle\) が 50%
\(|0\rangle\) が 80%, \(|1\rangle\) が 20%

表の 1 行目と 2 行目は、古典ビットと同じ状態を表しています。 \(|0\rangle\) が 100% または \(|1\rangle\) が 100% の状態では重ね合わせは生じていないため、それぞれ古典ビット 0 と 1 でも表現できるからです。 \(|0\rangle\) が 100% の状態を、単に状態 \(|0\rangle\) と呼びます。同様に、\(|1\rangle\) が 100% の状態を状態 \(|1\rangle\) と呼びます。

表の 3 行目と 4 行目は重ね合わせ状態にあります。 これらを測定すると確率の情報 (内側の円) は破壊され、状態 \(|0\rangle\) または \(|1\rangle\) に変化します。 つまり、重ね合わせ状態にあるビットを測定すると、古典ビット 0 または 1 で表すことのできる状態に変化します。